昆虫にも生きるための空間があります。そこで、ヒトが住むことが出来る大きさの生活スペースでより昆虫の世界に近い部屋を作ろうと思い設計しました。
昆虫たちの世界には「家具」が存在せずこの部屋にも「家具」を置いてません。ですが、この空間はすべて段差で作られているのでその段差を使い、階段やテーブル、椅子などあらゆる用途に利用することが出来ます。また、アリの巣について調べていく中で構造的に通路はあえてリアリティーを持たせるために人がギリギリ通れるくらいの細さにしたり、アリの住む空間には角がないので円形の形にしながらアリの巣に近づけるため雨が降っても水が入り込まない空間などを作りました。
部屋の配置は光を取り入れるため大きく開けた空間を東側にして朝日を取り込めるようにしたり、屋上の扇形の椅子に腰かけ東から西に上る太陽や月を見るため「後ろを向く」不便さを感じさせないように南側に扇方が広がるようにしました。